2006年11月13日

独語版ヘルシング10

↑タイトルは巻数ではないのでご注意を。
また筆者はドイツ語初級に毛が生えたレベルなので、文法説明などは話半分に読んで下さい。

間が開きましたが、今回は予告通り「Cross fire2」です。この作品の印象的なセリフと言えばまずこれでしょう。
180p日本語版:
「今どき神だの宗教だのと!!おまえら国家と人民を喰い潰すガンだ!!」
「今だに(キリスト)なんぞを信じている」「狂信者共!!」

「今どき神も信じてないのか!?」「ケッ今だに共産主義(コミュニズム)なんぞ信じている」
「カビ臭ェ革命オタク共がよォ!!」


ドイツ語版:
「Von wegen Gott und Religion! Ihr seid das Krebsgeschwür, das das Volk und sein Land auffrisst!!」
「Ihr glaubt immer noch an Christus?!」「Ihr seid elende religiöse Eiferer!!」

「Und ihr glaubt nicht an Gott?!」「Sondern immer noch an euren kommunismus?!」
「Ihr stinkenden Revolutionsfanatiker!!」

von wegen は「とんでもない!」という意味もあるので、ここは「神(Gott)と宗教(Religion)なんてとんでもない!」みたいな意味合いでしょうか。
また、「今どき」にあたる言葉は省略されています。
「Ihr(いわゆるタメ語のyouであるduの、複数形) seid(you areのareにあたります。ichの時はbin、duの時はbist、ihrの時はseid) das Krebsgeschwür(癌性潰瘍),
das das Volk(民族、国民、人民) und(と) sein Land(それの国[を]。それ→人民・Volk。seinは英語のmyとかhisみたいなもんですが、性によって変化します。
ここでのVolkはdas Volkで中性名詞、かつ「〜を」という形の4格なので、seinとなっています。) auffrisst(食い尽くす).
さてここで、〜das das Volk und sein Land〜と、dasが二つ続きますが、これは間違いではありません。
一つ目のdasは関係代名詞です。das以降の文でdas Krebsgeschwürの説明がなされています。
まず日本語で語順の通りに書いてみると、「その癌性潰瘍、それは人民とその国を食い尽くす」。
das Krebsgeschwür(その癌性潰瘍), das(それは) das Volk(人民) und(と) sein Land(その国を) auffrisst(食い尽くす).
das Krebsgeschwürが中性名詞なので、↑この関係代名詞の部分も中性です。主語だからdasのままですが、
「〜に」となる文だと格変化してdemになったりします。
次。
「Ihr(お前達は) glaubt(an +名詞で、「〜を信じる」という意味) immer noch(今もなお) an Christus(キリストを)?!」
これはシンプルな文です。「お前達は今もなおキリストを信じてるのか?」と、日本語の原文と表現の大きな違いもありません。
次。
「Ihr seid(お前達は) elende(みじめな・悲惨な、ひどい、等) religiöse(宗教の) Eiferer(狂信者[達])!!」
日本語の原文に比べると、罵倒と狂信者のジャンル(宗教的な)の説明的な形容詞が入ってます。

次は由美江のセリフです。
「Und(そして) ihr(お前達は) glaubt nicht(an○○を信じない) an Gott(神を)?!」
大体原文通りですが、こちらも敵のセリフ同様、「今どき」は抜けています。「今どき」って言われてみれば、一言で流行遅れ感と最近のこと(今どきの若者は…とか)の両方を表現出来ますね。
「Sondern(前のセリフのnichtと対応して、「○○じゃなくて**」という表現になります) immer noch(いまだに) an(これも前のセリフのglaubtに対応して、an○○を信じる、となります) euren(お前達の) Kommunismus(共産主義を)?!」
つなげてみると、「そしてお前達は神じゃなくて、いまだにお前達の共産主義を信じてるのか?!」となります。
次。
「Ihr(お前ら) stinkenden(悪臭のする) Revolutionsfanatiker(革命狂信者・熱狂者[達])!!」
Revolutionsfanatikerは、RevolutionとFanatikerの合成語です。ドイツ語ではよくこういう風に単語を合体させて新しい言葉が作られます。
敵のセリフでわざわざ「religiöse Eiferer(宗教的な狂信者)」と、「宗教的」な狂信者である説明の言葉が使われていましたが、こちらのセリフで革命の狂信者というのが出て来るので、明確に分けてあるんでしょうねきっと。


それでは次はハインケルのセリフ。
183P日本語版:
パンにはパンを(フレブ ザ フレブ) 血には血を(クロフ ザ クロフ)」「地獄でコミュニズム唱ってやがれ」


ドイツ語版:
「Auge um Auge, Zahn um Zahn!」「Macht eure kommunistische Propaganda von nun an in der Hölle!」


「パンにはパン…」の部分は、「Auge um Auge(目には目を) Zahn um Zahn(歯には歯を)!」になっています。
「Macht(〜しろ、というihrに対する命令形) eure(お前達の) kommunistische(共産主義的な) Propaganda(プロパガンダを)
von nun an(今から、今後) in der Hölle(地獄で)!」

最後にマクスウェルのセリフと欄外ツッコミ。
186P日本語版:
「でも(アンチ)キリストや異教徒共は」「人間じゃないですから」
「神の王国を邪魔するサタンの使いですから」

「狂ってるなァ…ヤダヤダ。」


ドイツ語版:
「Aber dem Antichristhörige und Andersgläubige...」「...sind doch keine Menschen!」
「Das sind nur vom Satan geschickte Störenfriede im Reiche Gottes!」

「Jetzt dreht er völlig durch! übel.」


「Aber(でも) dem(これがなんでdieではないのか、ちょっと筆者の能力では分かりません、すみません) Antichristhörige(反キリスト教の農奴) und(と) Andersgläubige(異教徒)...」「...sind(は) doch(しかし、とかやはり、とかいうニュアンス) keine Menschen(人間ではない)!」
「Das sind(これらは) nur(ただ) vom Satan(サタンによって) geschickte(送られた) Störenfriede(邪魔する者、平和を乱す者)
im Reiche Gottes(神の国で)!」

「Jetzt dreht er völlig durch! übel.」
dreht〜durchは、durch|drehenという分離動詞なので、文の後ろにdurchと来ています。「頭がおかしくなる」という意味。
übelは、ひでーとか吐き気がするーとか不快だーとかそういう意味です。
「あー彼は今頭おかしくなってるよ、ひでぇ」みたいなニュアンスになると思います。


長くなってすみません。次回は3巻。
posted by じっこ at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 独語版ヘルシング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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