また筆者はドイツ語初級に毛が生えたレベルなので、文法説明などは話半分に読んで下さい。
さて、今回からは2巻の内容です。以前少し取り上げていたので少々遡ってしまいますが、中断していたのでその続き。
13P日本語版:
「いいかいっておくぞ婦警」
「一度朝日に背を向け夜を歩き始めた者に日の光は二度と振り向きはしない!」
「だがそれもいいのかもしれない」
「おまえみたくおっかなびっくり夕方を歩く奴がいても」
ドイツ語版:
「Ich sag dir eins, Polizistin.」
「Wer sich einmal von der Sonne verabschiedet und begonnen hat, nachts zu leben, wird nie wieder zum Tageslicht zurückkönnen!」
「Aber es macht natürlich nichts...」
「...wenn auch solche Angsthasen wie du durch die Nacht ziehen.」
「Ich sag(口語でeが欠落しています。sagen で私は言う、話す) dir(近い距離の相手に対するyouにあたるduの3格。お前に。) eins(直訳的に1つ、でいいかな), Polizistin(警官Polizistの女性形で婦警)」
一ついっておくぞ。みたいなニュアンス…のはず。
次の文「Wer 〜」の形は、ここでは疑問文ではありません。「およそ〜する者は」という言い回し。副文(英語で言えばthatとかあの辺の関係代名詞以降のやつ)です。
副文の部分の語順は日本語とほぼ同じになるので、動詞は一番後ろに来ます。
「Wer(およそ〜な者は) sich(直訳だと「〜自身」。ここでは再帰代名詞と言って「〜自身」という意味はなくなり、後に来る動詞と結びついて一つの意味を作ります) einmal(一度) von der Sonne(太陽から) verabschiedet und begonnen hat(別れを告げ)(そして始めた)nachts zu leben(夜に生きること)」
ここで一旦切ります。
「sich verabschieden von A(3格)」で「Aに別れを告げる」と言う意味。
「〜beginnen, nachts zu leben」は「夜に生きることを始める」。これが過去分詞形になって「〜hat begonnen, nachts zu leben」となっています。
上にも書いている通り、「Wer ○○ ×× 動詞」は「およそ ○○ ×× する(動詞)者は」となりますが、これが過去分詞形になると「Wer ○○ ×× 動詞 haben(動詞によってはsein)」で「およそ〜した者は」となります。
habenやseinは人称によってhatになったりistになったり。
長くなりましたが、以上で「およそ太陽に別れを告げて夜に生きることを始めた者は」となります。これが副文部分のひとかたまりA。
ではその次のかたまりB部分。
「wird(動詞と結び付きます) nie wieder(二度と再び〜ない) zum Tageslicht(日の光に) zurückkönnen(口語です。戻ること・帰ることが出来る)!」
ここでwirdに結び付く動詞は、一番後ろのzurückkönnen。この動詞は辞書に載ってる形のまま(不定形)なので、werden(wird)+動詞の不定形 で、「〜するだろう」という未来形になります。ここでは推量的な意味かな?
以上で「二度と再び日の光に戻れないだろう!」になります。
細かい部分をやりましたが、今度は文全体の構成を見てみます。
かたまりAは副文。じゃあ、かたまりBは?いきなりwirdと来てますよね。実はBは普通の文で、かつ未来形というだけです。
ドイツ語では、動詞(助動詞などがある場合はその助動詞)が必ず文の二番目の位置に来るという決まりがあります。
この文で二番目に来ているのはwird。ということは、ながーい副文のかたまりAが主語になっているわけです。
A wird nie wieder〜「Aは二度と再び日の光に戻れないだろう!」
↓
「およそ太陽に別れを告げて夜に生き始めた者は、二度と再び日の光に戻れないだろう!」となるわけです。
では次。
「Aber(だが) es macht (nichtsと一緒に:構わない、みたいな意味かと) natürlich(もちろん、当然) nichts」で「だがもちろん構わない」かな?
「...wenn(もし〜でも) auch(〜も) solche Angsthasen(そのような臆病者達) wie du(お前のような) durch die Nacht ziehen(夜を通る)」
二つ合わせて「だがお前のような臆病者達も夜を通ってももちろん構わない」みたいな感じかな。
durch die Nacht ziehenて熟語のような気もするけどよく分かりません。
ここでちょっと残念なのは、アーカードのセリフはセラスの立場をたとえているだろうに、訳されたそれはそこから外れてしまっているみたいなことです。
まだ血を飲むことを受け入れられず半端な吸血鬼であるセラス−日の光の下で生きる者ではないが、完全に夜の世界の住人になってしまっている訳ではない。だから夕方をおっかなびっくり…とたとえられている、と思われる−
これがこのドイツ語版からはすぐには汲み取れないですよね。いやネイティヴはもしかしたら汲み取るのかも知れないけれど。
ここではNachtではなくてAbend(夕方・晩)か、もっと詳しくするならAbenddämmerung(夕暮れ)の方が良かったんじゃないかなーと思ったのでした(上級者でない者のぼやきなので、この考えが本当に適切かどうかは不明です、悪しからず)。
無駄に長くなってしまったので、今日はここまで。
次回は2巻95P以降のシーンの予定。自己満足だけどこれを口実にドイツ語学習に入り込めるので構わない。と自分に言い聞かせ。
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